読み物 ジャンドカスケード第2章
2009年12月18日 TCG全般 コメント (3)こんばんわ、ジェイスです。
今日は昨日予告した通り「The Jund Cascade」の続きをお送りしたいと思います。
なにそれ?って方はこちら↓を読んでからどうぞ
http://jyousyoukai.diarynote.jp/200912110421283571/
今回はジャンドに上手く戦うためには、という事が軸に置かれたお話なので限定構築の世界なんか今更興味ないよ、って人にも読んでいただけたらと思います。
リンク、感想お待ちしていますので気軽にして行って下さい^^
むしろしてくれると著者さんたちのテンションもあがるんでw
それではどうぞ。
「The Jund Cacade」第2章、反ジャンド勢力
PTホノルルが終わりデッキリストがアップされると、MOのプレイヤーはそこでお披露目されたデッキをとりあえずコピーして使ってみたり、今まであったデッキのアップデートする作業に取り掛かりました。
この第2章ではホノルルでプロプレイヤー達がジャンド以外のデッキで如何にジャンドを倒そうとしたかについて触れていこう思います。
それでは限築デッキをみていきましょう。
①エスパービート
4 《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》
3 《島/Island》
6 《平地/Plains》
4 《沼/Swamp》
17 lands
2 《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》
4 《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》
2 《エスパーゾア/Esperzoa》
4 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
3 《エーテル宣誓会の盾魔道士/Ethersworn Shieldmage》
4 《霞の悪鬼/Glaze Fiend》
4 《エーテリウムの達人/Master of Etherium》
4 《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》
4 《ヴィダルケンの異国者/Vedalken Outlander》
31 creatures
4 《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》
4 《霧脈の境界石/Mistvein Borderpost》
4 《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》
12 other spells
Sideboard
3 《対抗突風/Countersquall》
4 《流刑への道/Path to Exile》
3 《聖域のガーゴイル/Sanctum Gargoyle》
2 《魂の操作/Soul Manipulation》
3 《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》
15 sideboard cards
このデッキがジャンドに対してとるアプローチは以下の方法です。
《ヴィダルケンの異国者/Vedalken Outlander》で相手の地上戦力をとめ、《霞の悪鬼/Glaze Fiend》、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》+《エーテリウムの達人/Master of Etherium》を駆使して上空から対戦相手のライフを削りきる。
また、対戦相手の続唱にいいようにやられないため《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》を。
「地上を止め飛行で殴る」リミテッドにおいて基本ともされる戦略をこのデッキは用いています。
ジャンドはライフ回復手段は持たないため1回《霞の悪鬼/Glaze Fiend》で大幅にライフを持っていけばあとは《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》がなんとかしてくれることも多々あります。
もう一つの注目すべき点としては《流刑への道/Path to Exile》のメイン不採用です。
このデッキで序盤に打ってしまうと相手の唯一の飛行戦力である《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》を出されるターンが早まってしまうのが原因でしょう。
<このデッキのジャンドへの策>
1、プロテクションで地上を止める
2、《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》で続唱封じ
3、軽い飛行で速攻を仕掛ける
②緑白ビート
10 《森/Forest》
9 《平地/Plains》
4 《海辺の城塞/Seaside Citadel》
23 lands
3 《戦誉の天使/Battlegrace Angel》
4 《不屈の随員/Dauntless Escort》
4 《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
3 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1 《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
3 《茨異種/Thornling》
4 《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》
26 creatures
2 《ビヒモスの大鎚/Behemoth Sledge》
4 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
1 《最高の時/Finest Hour》
4 《流刑への道/Path to Exile》
11 other spells
Sideboard
4 《天界の粛清/Celestial Purge》
4 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
2 《金線の天使/Filigree Angel》
3 《軍部政変/Martial Coup》
1 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1 《茨異種/Thornling》
15 sideboard cards
普通の緑白のビートです。この形は後期限築界で緑白にあたったたら大抵このレシピだろうと思っていいほど流行ったレシピです。
このデッキのジャンドへの戦い方は以下のような感じになります。
1、賛美を絡めた序盤のビートで押し切る。
これはジャンドが軽い除去無しハンドをキープしたときにたまに起こる戦い方です。
《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》が来なければスーパー賛美こと《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》が活躍してくれるでしょう。
また《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》と《最高の時/Finest Hour》のコンボは決まれば大ダメージを与えることができます。
このデッキの1枚挿しの《最高の時/Finest Hour》は本当に素晴らしいです。
2、《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》+賛美or《ビヒモスの大鎚/Behemoth Sledge》
現スタンダートでもとまらない4-4プロテクション黒を作る戦略です。
何故4-4必要なのかと言えばもちろん《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》にブロックされても平気なサイズが欲しいからです。
ただこのコンボはサポートするのが除去されやすいのでなかなか成立しにくいのです。
しかし《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》はブロックに回っても相当活躍してくれるので決まらなくても問題ないのがいいところです。
3、《不屈の随員/Dauntless Escort》+《戦誉の天使/Battlegrace Angel》
現スタンダートの《悪斬の天使/Baneslayer Angel》ほどではないですが《戦誉の天使/Battlegrace Angel》も生き残りさえすればジャンドに対して相当圧力をかけることができました。ただ《悪斬の天使/Baneslayer Angel》と違いタフネスが4しかないので《瀝青破/Bituminous Blast》で落ちてしまうためサポートがないとかなり頼りないのですがそこをサポートするのが《不屈の随員/Dauntless Escort》です。
《瀝青破/Bituminous Blast》によっての簡単2個1をとらせないという簡単に活躍してくれるのでとてもいいカードです。
4、《茨異種/Thornling》
限築界の対ジャンド最強兵器です。
除去が効かない、チャンプブロックを許さないとジャンドに対していいこと尽くめです。
イニシアチブを握っている状態でマナを余らせた状態or場に《不屈の随員/Dauntless Escort》がいる状態で戦線に追加することが出来たら限りなく勝ちに近づきます。
後期限定構築だとジャンドに同系用&《茨異種/Thornling》メタでメインから《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》が採用されている事もあったので完全に勝ち、とまではいかなくなってしまいました。が、現スタンダートならメインに《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》がとられていることはそうそうないので活かせるデッキさえ組めれば今現在も相当やってくれるのではないでしょうか?
<このデッキのジャンドへの策>
1、プロテクション
2、賛美を絡めた速攻
3、ジャンドが生き残ってしまうと致命的なクリーチャーを守る。
4、破壊されないクリーチャーを展開する。(《茨異種/Thornling》)
③壁クイッケン
3 《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》
4 《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》
1 《森/Forest》
3 《島/Island》
2 《ジャングルの祭殿/Jungle Shrine》
2 《山/Mountain》
4 《断ち割る尖塔/Rupture Spire》
3 《海辺の城塞/Seaside Citadel》
4 《沼/Swamp》
26 lands
4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
2 《カルデラの乱暴者/Caldera Hellion》
2 《カターリの残影/Kathari Remnant》
4 《否定の壁/Wall of Denial》
12 creatures
2 《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》
3 《瀝青破/Bituminous Blast》
3 《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》
4 《エスパーの魔除け/Esper Charm》
4 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
1 《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Planeswalker》
1 《アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara》
4 《衝撃的な幻視/Traumatic Visions》
22 other spells
Sideboard
1 《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》
4 《荒廃稲妻/Blightning》
4 《天界の粛清/Celestial Purge》
3 《現実の否定/Deny Reality》
2 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1 《遁走の王笏/Scepter of Fugue》
15 sideboard cards
このデッキの名前はスタンダートであったクイッケントーストと似た重コントロールであることから付けられました。壁とはもちろん《否定の壁/Wall of Denial》の事です。
このデッキのジャンドへの戦い方は至って簡単です。
ジャンドが対処する事の出来ない《否定の壁/Wall of Denial》を3ターン目に展開し相手が数で乗り切ろうとするのを《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》からの《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》や追加の《否定の壁/Wall of Denial》で止め、最後はコントロールと言えばこのカードと言っても過言ではない《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》で締めます。
重ね重ね言う事になりますがこのデッキのジャンドのへのキーは間違いなく《否定の壁/Wall of Denial》です。そのために《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》、《カターリの残影/Kathari Remnant》とアクセスしやすくなるための続唱が6枚投入されています。
またサイドボード後はジャンドと《荒廃稲妻/Blightning》を打ち合うプランもあります。《エスパーの魔除け/Esper Charm》もあるのでハンデスゲーを制しやすく、また後半まで長引いてくれれば相手の《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》以上の爆弾カードを有するため有利になるといっても過言ではないでしょう。
<このデッキのジャンドへの対策>
1、対象にならないクリーチャーで戦線を固める
2、長引かせることを徹底すれば後半ジャンドよりも強くて重いカードをしっかり搭載している。
他にも限定構築の環境には、ナヤ、バントといったデッキもいないことはなかったのですが今回は割愛させて頂きます。理由はバントは《数多のラフィーク/Rafiq of the Many》以外は緑白と似たような戦い方をしている、と言うこととナヤはジャンドをメタって戦っているのではなくただ純粋にデッキパワーで戦っていた、という点です。
さて今回は3つのデッキのジャンドの戦い方を見てきました。
最後に3つのデッキの戦い方をまとめてみましょう。
<エスパー>
・プロテクションで地上を止める
・《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》で続唱封じ
・軽い飛行で速攻を仕掛ける
<緑白>
・プロテクション
・賛美を絡めた速攻
・ジャンドが生き残ってしまうと致命的なクリーチャーを守る。
・破壊されないクリーチャーを展開する。(《茨異種/Thornling》)
<壁クイッケン>
・対象にならないクリーチャーで戦線を固める
・長引かせることを徹底すれば後半ジャンドよりも強くて重いカードをしっかり搭載している。
以上9点になります。
どうでしょうか?
こう見てみるとこの3つのデッキ、デッキの色、コンセプトは違えどどれも共通していることがある事が分かります。。
そう、どのデッキでも“ジャンドの除去の対象にならないで尚且つ相手の序盤の主戦力である《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を止めることができるクリーチャーを1スロットは採用している”
ということです。
《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》は皆さんご存知の通りとても優秀なクリーチャーです。まともにブロックをしようとするのなら4-4以上のサイズが必要になり、またこっちからアタックに行こうものならチャンプブロックされトークンが生まれ計4ターンは凌がれてしまいます。
つまりこの“《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》に仕事をさせない”という事がジャンドと対戦する際もっとも重要である、ということになるんではないでしょうか?
除去ではだめなのか?
では除去だと何をとればいいのでしょうか?
《流刑への道/Path to Exile》?3ターン目に撃っては《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》が出るのが早まってしまいます。
《天界の粛清/Celestial Purge》?他のデッキと当たった時無駄カードが生まれてしまってもいいと割りきらなければ採用できません。
つまりとても有効といえる除去というものが存在しないのです。
またジャンドに対してとる戦い方でビートするというのがエスパー、緑白デッキと共通しています。
ジャンドは、パーマネント除去、優秀なクリーチャー、ハンデスとなんでもできてしまいますが唯一できないのが「ライフ回復」です。
ジャンド側の回りが著しくない場合デッキにとっている《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》対策にいれたクリーチャーで先に攻め、ジャンド相手に対戦を有利に進めることができるでしょう。エスパービートが《流刑への道/Path to Exile》を不採用にしてまで展開優先の作りにしているのにはこの理由もあった訳です。
「《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》に対して有効な手段」「ジャンド相手はビートでライフを攻めるのが有効である」という2点から、どのデッキも
“ジャンドの除去の対象にならないで尚且つ相手の序盤の主戦力である《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を止めることができるクリーチャーを1スロットは採用している”
という事です。
世界選手権に今回挙げたジャンドへの戦い方をとても使っているデッキがありましたので紹介を。
それはこのデッキです。
石村 信太朗
世界選手権2009 5勝1敗
7 《平地》
1 《島》
4 《湿地の干潟》
4 《乾燥台地》
4 《氷河の城砦》
1 《広漠なる変幻地》
4 《ステップのオオヤマネコ》
4 《白蘭の騎士》
4 《カザンドゥの刃の達人》
3 《白騎士》
4 《エイヴンの擬態術士》
4 《悪斬の天使》
4 《流刑への道》
4 《精霊への挑戦》
3 《遍歴の騎士、エルズペス》
1 《清浄の名誉》
4 《原霧の境界石》
サイドボード
4 《未達への旅》
3 《真心の光を放つ者》
3 《否認》
2 《確実性の欠落》
2 《天界の粛清》
1 《白騎士》
《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》に対してのプロテクション、飛行ビート、ジャンドに対して致命的なクリーチャーがあり、(この場合《悪斬の天使/Baneslayer Angel》)尚かつそれを守る手段がある。
どうでしょうか?今回紹介した手法のほとんどがデッキに秘められています。
石村さんはカバレッジにも書いてある通り世界選手権においてこの青白ビートを駆使しジャンドに対して4戦4勝という素晴らしい成績を収めました。
これは憶測でしかないのですが、もしかしたら石村さんもこういった考えの下このデッキを調整したのかもしれません。
「The Jund Cascade」第2章反ジャンド勢力、いかがだったでしょうか?
今回はこの辺で終了とさせて頂きます。
皆さんがこれからファイナルのスタンダートに向けて対ジャンドデッキを製作する際の手助けになることが出来たら幸いです。
ご愛読どうもありがとうございました。
今日は昨日予告した通り「The Jund Cascade」の続きをお送りしたいと思います。
なにそれ?って方はこちら↓を読んでからどうぞ
http://jyousyoukai.diarynote.jp/200912110421283571/
今回はジャンドに上手く戦うためには、という事が軸に置かれたお話なので限定構築の世界なんか今更興味ないよ、って人にも読んでいただけたらと思います。
リンク、感想お待ちしていますので気軽にして行って下さい^^
むしろしてくれると著者さんたちのテンションもあがるんでw
それではどうぞ。
「The Jund Cacade」第2章、反ジャンド勢力
PTホノルルが終わりデッキリストがアップされると、MOのプレイヤーはそこでお披露目されたデッキをとりあえずコピーして使ってみたり、今まであったデッキのアップデートする作業に取り掛かりました。
この第2章ではホノルルでプロプレイヤー達がジャンド以外のデッキで如何にジャンドを倒そうとしたかについて触れていこう思います。
それでは限築デッキをみていきましょう。
①エスパービート
4 《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》
3 《島/Island》
6 《平地/Plains》
4 《沼/Swamp》
17 lands
2 《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》
4 《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》
2 《エスパーゾア/Esperzoa》
4 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
3 《エーテル宣誓会の盾魔道士/Ethersworn Shieldmage》
4 《霞の悪鬼/Glaze Fiend》
4 《エーテリウムの達人/Master of Etherium》
4 《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》
4 《ヴィダルケンの異国者/Vedalken Outlander》
31 creatures
4 《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》
4 《霧脈の境界石/Mistvein Borderpost》
4 《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》
12 other spells
Sideboard
3 《対抗突風/Countersquall》
4 《流刑への道/Path to Exile》
3 《聖域のガーゴイル/Sanctum Gargoyle》
2 《魂の操作/Soul Manipulation》
3 《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》
15 sideboard cards
このデッキがジャンドに対してとるアプローチは以下の方法です。
《ヴィダルケンの異国者/Vedalken Outlander》で相手の地上戦力をとめ、《霞の悪鬼/Glaze Fiend》、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》+《エーテリウムの達人/Master of Etherium》を駆使して上空から対戦相手のライフを削りきる。
また、対戦相手の続唱にいいようにやられないため《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》を。
「地上を止め飛行で殴る」リミテッドにおいて基本ともされる戦略をこのデッキは用いています。
ジャンドはライフ回復手段は持たないため1回《霞の悪鬼/Glaze Fiend》で大幅にライフを持っていけばあとは《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》がなんとかしてくれることも多々あります。
もう一つの注目すべき点としては《流刑への道/Path to Exile》のメイン不採用です。
このデッキで序盤に打ってしまうと相手の唯一の飛行戦力である《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》を出されるターンが早まってしまうのが原因でしょう。
<このデッキのジャンドへの策>
1、プロテクションで地上を止める
2、《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》で続唱封じ
3、軽い飛行で速攻を仕掛ける
②緑白ビート
10 《森/Forest》
9 《平地/Plains》
4 《海辺の城塞/Seaside Citadel》
23 lands
3 《戦誉の天使/Battlegrace Angel》
4 《不屈の随員/Dauntless Escort》
4 《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
3 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1 《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
3 《茨異種/Thornling》
4 《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》
26 creatures
2 《ビヒモスの大鎚/Behemoth Sledge》
4 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
1 《最高の時/Finest Hour》
4 《流刑への道/Path to Exile》
11 other spells
Sideboard
4 《天界の粛清/Celestial Purge》
4 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
2 《金線の天使/Filigree Angel》
3 《軍部政変/Martial Coup》
1 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1 《茨異種/Thornling》
15 sideboard cards
普通の緑白のビートです。この形は後期限築界で緑白にあたったたら大抵このレシピだろうと思っていいほど流行ったレシピです。
このデッキのジャンドへの戦い方は以下のような感じになります。
1、賛美を絡めた序盤のビートで押し切る。
これはジャンドが軽い除去無しハンドをキープしたときにたまに起こる戦い方です。
《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》が来なければスーパー賛美こと《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》が活躍してくれるでしょう。
また《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》と《最高の時/Finest Hour》のコンボは決まれば大ダメージを与えることができます。
このデッキの1枚挿しの《最高の時/Finest Hour》は本当に素晴らしいです。
2、《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》+賛美or《ビヒモスの大鎚/Behemoth Sledge》
現スタンダートでもとまらない4-4プロテクション黒を作る戦略です。
何故4-4必要なのかと言えばもちろん《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》にブロックされても平気なサイズが欲しいからです。
ただこのコンボはサポートするのが除去されやすいのでなかなか成立しにくいのです。
しかし《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》はブロックに回っても相当活躍してくれるので決まらなくても問題ないのがいいところです。
3、《不屈の随員/Dauntless Escort》+《戦誉の天使/Battlegrace Angel》
現スタンダートの《悪斬の天使/Baneslayer Angel》ほどではないですが《戦誉の天使/Battlegrace Angel》も生き残りさえすればジャンドに対して相当圧力をかけることができました。ただ《悪斬の天使/Baneslayer Angel》と違いタフネスが4しかないので《瀝青破/Bituminous Blast》で落ちてしまうためサポートがないとかなり頼りないのですがそこをサポートするのが《不屈の随員/Dauntless Escort》です。
《瀝青破/Bituminous Blast》によっての簡単2個1をとらせないという簡単に活躍してくれるのでとてもいいカードです。
4、《茨異種/Thornling》
限築界の対ジャンド最強兵器です。
除去が効かない、チャンプブロックを許さないとジャンドに対していいこと尽くめです。
イニシアチブを握っている状態でマナを余らせた状態or場に《不屈の随員/Dauntless Escort》がいる状態で戦線に追加することが出来たら限りなく勝ちに近づきます。
後期限定構築だとジャンドに同系用&《茨異種/Thornling》メタでメインから《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》が採用されている事もあったので完全に勝ち、とまではいかなくなってしまいました。が、現スタンダートならメインに《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》がとられていることはそうそうないので活かせるデッキさえ組めれば今現在も相当やってくれるのではないでしょうか?
<このデッキのジャンドへの策>
1、プロテクション
2、賛美を絡めた速攻
3、ジャンドが生き残ってしまうと致命的なクリーチャーを守る。
4、破壊されないクリーチャーを展開する。(《茨異種/Thornling》)
③壁クイッケン
3 《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》
4 《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》
1 《森/Forest》
3 《島/Island》
2 《ジャングルの祭殿/Jungle Shrine》
2 《山/Mountain》
4 《断ち割る尖塔/Rupture Spire》
3 《海辺の城塞/Seaside Citadel》
4 《沼/Swamp》
26 lands
4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
2 《カルデラの乱暴者/Caldera Hellion》
2 《カターリの残影/Kathari Remnant》
4 《否定の壁/Wall of Denial》
12 creatures
2 《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》
3 《瀝青破/Bituminous Blast》
3 《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》
4 《エスパーの魔除け/Esper Charm》
4 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
1 《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Planeswalker》
1 《アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara》
4 《衝撃的な幻視/Traumatic Visions》
22 other spells
Sideboard
1 《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》
4 《荒廃稲妻/Blightning》
4 《天界の粛清/Celestial Purge》
3 《現実の否定/Deny Reality》
2 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1 《遁走の王笏/Scepter of Fugue》
15 sideboard cards
このデッキの名前はスタンダートであったクイッケントーストと似た重コントロールであることから付けられました。壁とはもちろん《否定の壁/Wall of Denial》の事です。
このデッキのジャンドへの戦い方は至って簡単です。
ジャンドが対処する事の出来ない《否定の壁/Wall of Denial》を3ターン目に展開し相手が数で乗り切ろうとするのを《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》からの《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》や追加の《否定の壁/Wall of Denial》で止め、最後はコントロールと言えばこのカードと言っても過言ではない《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》で締めます。
重ね重ね言う事になりますがこのデッキのジャンドのへのキーは間違いなく《否定の壁/Wall of Denial》です。そのために《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》、《カターリの残影/Kathari Remnant》とアクセスしやすくなるための続唱が6枚投入されています。
またサイドボード後はジャンドと《荒廃稲妻/Blightning》を打ち合うプランもあります。《エスパーの魔除け/Esper Charm》もあるのでハンデスゲーを制しやすく、また後半まで長引いてくれれば相手の《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》以上の爆弾カードを有するため有利になるといっても過言ではないでしょう。
<このデッキのジャンドへの対策>
1、対象にならないクリーチャーで戦線を固める
2、長引かせることを徹底すれば後半ジャンドよりも強くて重いカードをしっかり搭載している。
他にも限定構築の環境には、ナヤ、バントといったデッキもいないことはなかったのですが今回は割愛させて頂きます。理由はバントは《数多のラフィーク/Rafiq of the Many》以外は緑白と似たような戦い方をしている、と言うこととナヤはジャンドをメタって戦っているのではなくただ純粋にデッキパワーで戦っていた、という点です。
さて今回は3つのデッキのジャンドの戦い方を見てきました。
最後に3つのデッキの戦い方をまとめてみましょう。
<エスパー>
・プロテクションで地上を止める
・《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》で続唱封じ
・軽い飛行で速攻を仕掛ける
<緑白>
・プロテクション
・賛美を絡めた速攻
・ジャンドが生き残ってしまうと致命的なクリーチャーを守る。
・破壊されないクリーチャーを展開する。(《茨異種/Thornling》)
<壁クイッケン>
・対象にならないクリーチャーで戦線を固める
・長引かせることを徹底すれば後半ジャンドよりも強くて重いカードをしっかり搭載している。
以上9点になります。
どうでしょうか?
こう見てみるとこの3つのデッキ、デッキの色、コンセプトは違えどどれも共通していることがある事が分かります。。
そう、どのデッキでも“ジャンドの除去の対象にならないで尚且つ相手の序盤の主戦力である《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を止めることができるクリーチャーを1スロットは採用している”
ということです。
《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》は皆さんご存知の通りとても優秀なクリーチャーです。まともにブロックをしようとするのなら4-4以上のサイズが必要になり、またこっちからアタックに行こうものならチャンプブロックされトークンが生まれ計4ターンは凌がれてしまいます。
つまりこの“《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》に仕事をさせない”という事がジャンドと対戦する際もっとも重要である、ということになるんではないでしょうか?
除去ではだめなのか?
では除去だと何をとればいいのでしょうか?
《流刑への道/Path to Exile》?3ターン目に撃っては《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》が出るのが早まってしまいます。
《天界の粛清/Celestial Purge》?他のデッキと当たった時無駄カードが生まれてしまってもいいと割りきらなければ採用できません。
つまりとても有効といえる除去というものが存在しないのです。
またジャンドに対してとる戦い方でビートするというのがエスパー、緑白デッキと共通しています。
ジャンドは、パーマネント除去、優秀なクリーチャー、ハンデスとなんでもできてしまいますが唯一できないのが「ライフ回復」です。
ジャンド側の回りが著しくない場合デッキにとっている《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》対策にいれたクリーチャーで先に攻め、ジャンド相手に対戦を有利に進めることができるでしょう。エスパービートが《流刑への道/Path to Exile》を不採用にしてまで展開優先の作りにしているのにはこの理由もあった訳です。
「《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》に対して有効な手段」「ジャンド相手はビートでライフを攻めるのが有効である」という2点から、どのデッキも
“ジャンドの除去の対象にならないで尚且つ相手の序盤の主戦力である《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を止めることができるクリーチャーを1スロットは採用している”
という事です。
世界選手権に今回挙げたジャンドへの戦い方をとても使っているデッキがありましたので紹介を。
それはこのデッキです。
石村 信太朗
世界選手権2009 5勝1敗
7 《平地》
1 《島》
4 《湿地の干潟》
4 《乾燥台地》
4 《氷河の城砦》
1 《広漠なる変幻地》
4 《ステップのオオヤマネコ》
4 《白蘭の騎士》
4 《カザンドゥの刃の達人》
3 《白騎士》
4 《エイヴンの擬態術士》
4 《悪斬の天使》
4 《流刑への道》
4 《精霊への挑戦》
3 《遍歴の騎士、エルズペス》
1 《清浄の名誉》
4 《原霧の境界石》
サイドボード
4 《未達への旅》
3 《真心の光を放つ者》
3 《否認》
2 《確実性の欠落》
2 《天界の粛清》
1 《白騎士》
《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》に対してのプロテクション、飛行ビート、ジャンドに対して致命的なクリーチャーがあり、(この場合《悪斬の天使/Baneslayer Angel》)尚かつそれを守る手段がある。
どうでしょうか?今回紹介した手法のほとんどがデッキに秘められています。
石村さんはカバレッジにも書いてある通り世界選手権においてこの青白ビートを駆使しジャンドに対して4戦4勝という素晴らしい成績を収めました。
これは憶測でしかないのですが、もしかしたら石村さんもこういった考えの下このデッキを調整したのかもしれません。
「The Jund Cascade」第2章反ジャンド勢力、いかがだったでしょうか?
今回はこの辺で終了とさせて頂きます。
皆さんがこれからファイナルのスタンダートに向けて対ジャンドデッキを製作する際の手助けになることが出来たら幸いです。
ご愛読どうもありがとうございました。
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